平浦ファミリズム
やっぱ最近暑い
わんこ「今回読んだのは、去年の第11回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞受賞作だ。新人の作品の割に文章や内容がしっかりしているので、結構色んなところで名前が上がったりしてHOTな作品だったんじゃないだろうか」
ポチ「去年に読みたかったですね。ラノベらしくないタイトルや雰囲気があって、さすがガガガ文庫といったところですね。あらすじを見てみると『ベンチャー企業』の社長の母、『トランスジェンダー』の姉、『オタクで引き篭もり』の妹、『コミュ障』の父と,これでもかといったほど面倒臭そうな要素を凝縮したような一家で,もはや少し引きました」
わんこ「そうだね。そんな無茶苦茶な家族設定でキャッキャウフフな学園生活が描写される筈もなく。タイトルに『〜イズム』とあるように考え方、この作品ならこの主人公の『家族観』っていうのが一つのテーマになっていたね」
ポチ「その主人公の『ファミリズム』というのは、自分は他人の力を借りずに一人で生きていてるんだ、自分には家族さえいればいいというものでした。彼は幼い頃から技術者の母から様々な技術を教えてもらっていて、高校生でもう一人で食って行けるくらいの技術を持っていたんですけど、そういった育ちや小さい頃に経験した事から、そういった考え方になってしまったんです」
わんこ「そうそう、結構この主人公が曲者で,表紙に描かれているような顔で周りの人に対応をするので、そこは読んでいて楽しかったりした。そして、そんな対応を周りの人に振りまいた結果、周りの人がどう感じて、どう行動して、そして主人公にどんな反応が現れるのか、そういった所がこの作品の一つの魅力なのかなーと」
ポチ「変な言い方ですけど、中高生といった多感な時期に是非読んで欲しいと思いました!」